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『厠イヤミ百景』leolioさんインタビュー |
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| これまでにアップした「トイレの貼り紙」の写真は約800枚。「いつもきれいにご利用いただき」と、礼に始まり礼に終わる定型文から、「一歩前へ」という男性用トイレ特有の但し書きなど、その内容はさまざまです。なぜ、「トイレの貼り紙」なのか、leolioさんが興味を持つ理由や、トイレでの撮影秘話など、ブログの裏話を伺ってみました。 |
- 『厠イヤミ百景』を作っているのはどんな人?
- 『厠イヤミ百景』をどんな方が作っているのか、読者は興味があると思います。まずは自己紹介をお願いします。
- なにかといろんなことに興味津々な第二次性徴期が終了していないイラストレーターです。名前は森本レオリオと申しますが、呼びづらいのでレオでもリオでも構いません。ただし森本レ●と切って言ってしまうと別人になります。何の因果か全国津々浦々のトイレの貼り紙を撮り集めています。トイレでカメラという危ないマッチング行為をしているため、「こりゃ!おめえ!」と知らないおじさんに怒られないかビクビクものです。いつか「あの人は仕事みたいなものだからソッとしておいてあげよう」と思われるような「トイレの貼り紙の人」と認識してもらえるまで頑張ろうと思います。決して「トイレの人」ではありません、「トイレの貼り紙の人」です。そこのところは間違えないで下さい。それだけで人としての価値が50%OFFになってしまう恐れがあります。今風で言う「トイレ王子」なんてのもご法度です。
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(写真1)公園の女子トイレのマークですが、子供にも分かりやすいようにと、かなり直接的な表現になっています。「露骨スペシャル」と名付けました。
(写真2)四国の某お城のトイレにあったものです。城という場所柄からか、お殿様がものを言うように書かれていたのが印象的でした。
- 「トイレの貼り紙」にこだわる理由
- 「トイレの貼り紙」に着目されたきっかけは何ですか?
- 2年ちょっと前、何気なく利用したコンビニのトイレで、「いつもきれいにご利用頂きありがとうございます」という貼り紙が目に入り、マジマジとその文章を追ってみると、「いつも」とは?綺麗に使った覚えもないし、なによりこちらが使わせてもらっているのに礼まで言ってくれるなんて、と思ったんです。下手すれば、まるでお姑さんが息子の嫁に「イヤミ」を言っているのに似ている…と気付いたのが、貼り紙を最初に意識したきっかけです。
- 「トイレの貼り紙」の、どのような点に惹かれるんですか?
- トイレというのはいろんな意味で解放区だけあって、外での社会生活の中で鬱積したものを吐き出せる数少ない場所です。公衆トイレやお店のトイレなどには、所詮他人のトイレという意識があって、人間の普段見せない汚い部分も尿なりと一緒に排出している利用者が多いと思います。それがマナー無用のひどい使われ方などに表れているし、掃除をしている側が辟易することに繋がっている。そんなトイレにおいて、「下半身は緩めてもいいけど、気はあんまり緩めるなよ」と、利用者のモラル低下を抑えるべくして「貼り紙」というものが存在し、掃除をする側の気持ちも代弁をしている。つまりは利用する側と掃除する側のせめぎ合いみたいなものが、一枚の紙に表れている点が好きですね。
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(写真3)某ショッピングセンターのトイレの入り口にあったもの。よほどお客さん以外に使わせたくなかったのか、トイレに入るのにお店の人から暗証番号を聞き出す必要があります。
- 『厠イヤミ百景』の舞台裏
- 「トイレでの撮影」ということで、人目が気になりませんか?
- 「トイレの中でカメラ」という時点で、世間的にはデンジャラスな組み合わせなので、これはかなり気を使います。貼り紙を撮りたいだけなのに、大きな誤解を生じがちです。とにかく普通の利用者に迷惑を掛けたくないので、人の目に入らないのが一番のポイントです。トイレ内に人がいたら、いなくなるまで待ちます。あまりに利用者が多いときは、再度来られる範囲の場所であれば、早朝など人がいない時間帯を狙って、改めて撮影に向かいます。それでも、県外など、すごく遠方の場合には、もう蜂のように刺し(すばやく撮影)、カナブンのごとし何気ない顔してます。本当に隠し撮りの極みのようなものです。個室のなかの貼り紙だと人の目も気にしなくていいんですが…。
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- 「この撮影は困難を極めた」というスポットはありますか?
- いつでもどこか気持ち的にはハラハラしていますが、トイレが男女共用な上に、さらに面白い貼り紙がトイレ自体の入り口のドアの外側なんかに貼られていた日には、もう忍者ですね。自分は伊賀の生まれと言い聞かせて早業で撮ります。「不審者を見かけた場合には…」みたいな貼り紙を見たときは、該当しないように気を付けています。あと、女性トイレには近付かないようにしているんですが、どうしてもそちら側のドアの外にだけ面白い貼り紙があった場合には、忍びの者の血を働かせます。当然そこまでですよ、内側には興味ないです。女性の利用者と鉢合わせでもしたら人生そこでストップですからね。さらに、ここだと面白い貼り紙が撮影できそうだなあと思っても、普通は入れない場所があるんですが、そういうときは似たような施設で、数日単位で募集している短期バイトを見付けて潜入します!トイレの写真を撮るためだけの目的で、そこで働くんです。しかもお給料までもらえます。まあ自分で時間の都合のつく自由業だから出来るワザだと思いますが、体を張ってネタ収集するくらいの意気込みがなければ、面白いものは集まりません!当然ながら、ハズレにも出くわしますが、さまざまな体験は無駄にはならないと思います。
- かなりギリギリの線でやってらっしゃるんですね。では、なかでもとくに印象深かったエピソードなどはありますか?
- 東京マラソン2007ですね。東京で初めてのイベント、しかもかなりの数の仮設トイレが出ると知って、もしかしたらこの日だけのトイレの貼り紙が撮れるかもしれないと、朝早くに仮設トイレだけを見に新宿都庁前に行きました。そしてマラソンが始まる前に帰りました(笑)。
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(写真4)「笑顔の便器」のイラスト入りの貼り紙があったのですが、実際の便器の心情というものはこういう感じではないかと思い、描いてみました。
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(写真5)さまざまな昆虫がゲージ内で観察できるようになっている公園なんですが、そこではトイレに自然に集まっている野性の虫さえ観察対象のようです。よそだと、害虫扱いです。
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(写真6)かなりシックな日本家屋のトイレにて。わざわざ漢字で「厠」と古い言い回しをしていたにも関わらず、漢字を間違えていたのに気付きました。それを指摘するイラストを描いてみました。
- いまイチオシの「貼り紙」と、「貼り紙」の楽しみ方
- leolioさんご推薦の、いまいちばんアツい「貼り紙」を教えてください。
- 「アツい」というか、逆に「残念」というのが、都内で起こっている再開発の波です。古い建物で、「いいトイレの貼り紙がありそう!」という場所が消えつつあることですね。きれいで新しい建物には、あまりいい感じの貼り紙がない傾向にあるので(むしろ美観を損ねるという観点から貼り紙がない場合が多いです)、建てかえる前に一度「ちょっと待ったあ!!」と、トイレチェックさせて欲しいです。
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- 『厠イヤミ百景』の今後について
- これからぜひ撮影してみたい、ブログで取り上げたいというスポットはありますか?
- まずは全国制覇ですね。トイレ撮影だけの目的で県外に行くというのは前例がないのですが、今後はトイレ探訪をメインに遠方に行ってしまいそうです。常にネタ切れの恐れに追われているので…。それと、『厠イヤミ百景』には「女性受け」の部分がないと指摘されたことがあり、非常に頭に残っているので、ならば逆に、メイド喫茶など、女性が興味がありそうで、しかしそれこそ入りにくい場所に足を踏み入れていこうかなと思っています。
- 『厠イヤミ百景』の今後の展望についてお聞かせください。
- 人がいるところにトイレあり、トイレのあるところに貼り紙ありと、日本人のモラルの低下に反比例して、たぶんネタ的には一生尽きることはないと思われます。ですので、体力の続く限り、さまざまなトイレの貼り紙を撮り続けたいと思います。基本的には笑わせつつ、ちょびっとだけモラル向上を訴えてと。ブログというツールは、自分の表現したいことがわりと簡単にできる場所であり、またチャレンジできる場所でもあるので、これからも自分だけができるようなブログ作りをしていきたいです。ストレートに「トイレをきれいに使いましょう」と言ったところで、話を聞く人はごくわずかです。そこで、トイレの貼り紙にあるように、少しイヤミなり捻りを効かせていけば、人の目を引くものに変わるはずです。そういった「スパイスの効いた」ブログを目指していきたいと思っています。
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