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Vol15.『ピンズ=マスター(pins-master)』pins-masterさんインタビュー
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コレクションを前に、近影です。
コレクションを前に、近影です。
pins-masterさん
男性 30代 東京都
プロフィール

pins-master、東京都在住の会社員。過去11回開催されたピンズのトレード会『東京ピントレーディング』(登録コレクター数200 名)主宰。全国のピンコレクターが参加し、長野のピンコ レクターの祭典「ピンずる祭り」にも関わる『ジャパンピンズネット』幹事も務める。

ピンズ=マスター(pins-master)
「社章や企業のノベルティなど、「ピンズ」を見たことのない人はいないはず。 販売品でも非売品でも、裏側に針がついている飾りものは、すべて「ピンズ」です。これまで約5000個のピンズを集めたというこのコレクターは、 最近では、専門家としてピンズ評論の世界でも活躍中です。
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ブロガーインタビュー
『ピンズ=マスター(pins-master)』pins-masterさんインタビュー
2002年FIFAワールドカップのものを中心に、時計、フレンチピン、オリンピック、キャラクター、ハードロックカフェ、ディズニー、車、愛知万博など、多岐に渡るジャンルのピンズを収集しているpins-masterさん。奥深いピンズワールドの愉しみ方や、コレクターの世界ならではの心温まるエピソードなどを伺ってみました。


『ピンズ=マスター(pins-master)』を作っているのはどんな人?
『ピンズ=マスター(pins-master)』をどんな方が作っているのか、読者は興味があると思います。まずは自己紹介をお願いします。
東京生まれの東京育ち。三代以上は続いているので江戸っ子です。5年ほど前まではどこにでもいる普通のサラリーマンでしたが、現在では自他共に認めるピンズのコレクター。日本国内はもとより、海外のコレクターさんとも交流をするようになりました。ピンズを通じてやり取りをしている方々は実に9カ国を数え、そのために学生時代は苦手だった英語も必死に覚えてきました。仕事は産業機械の営業マン。ピンズとは正反対の大きな機械を売って、小さな我が家の家賃と小さなピンズを手に入れるための給料を稼いでいます。テニス、サッカー、野球、その他スポーツ全般が好きで、スイーツ、お酒も好きです。ファッション関係だと時計、音楽は洋楽と、好きなものはいっぱいありますが、そのすべてが、いまではピンズに直結しています。そろそろ身を固めろといわれますが、奥さんがピンズを許してくれなかったらどうしよう…と、なかなか結婚に前向きになれないとか…。
 
「ピンズ」の虜になった理由
ひとくちに「ピンズ」といってもさまざまなジャンルのものがあるかと思いますが、ざっと「ピンズ」の定義や分類についてレクチャーしてください。
世間一般でもピンズを見たことがないという人はまずいないでしょう。形態的には裏側に針がついていれば、みな「ピンズ」と呼べます。つける部位により「ハットピン」「ラペルピン」「タイピン」など、細かい呼称もあります。ピンズの目的は「所属を明示する」「イベントの記念」「宣伝」等々多岐に渡ります。社章観光地のお土産食玩など、いたるところで目にすることができます。そのなかでも、わたしの収集対象のメインは、イベントや抽選プレゼントでの配布品です。いわゆる「非売品」のピンズが収集の8割以上を占めています。ワールドカップオリンピック世界陸上などのイベントや、企業が宣伝のために配布するピンズがほとんどです。ハードロックカフェのピンズなど、販売品がメインのジャンルでは、自分の好みのデザインのものを気ままに集めています。また、一般にピンコレクターが集めているものは、ファッション用のピンブローチではありません。わたし自身の解釈では、ピンズには必ず「メッセージ」が込められているのです。それに対して「ピンブローチ」というものは、「ファッション性がほぼそのすべてであるもの」と言うことができるのではないでしょうか。それからピンズは、いわゆる「缶バッジ(バッチ)」や、ネームプレートなどとは製法的に一線を画します。
 
2002年FIFAワールドカップで朝日新聞がリリースしたピンズ。6つのカウントダウンピンがプラフレームに入るとボールの形になる。その後のコレクションのきっかけとなった記念すべきピンズ。

(写真1)2002年FIFAワールドカップで朝日新聞がリリースしたピンズ。6つのカウントダウンピンがプラフレームに入るとボールの形になる。その後のコレクションのきっかけとなった記念すべきピンズ。

(写真2)2002年ソルトレイクシティオリンピックのスポンサーだったスミスのピンズ。スミスは食品・医療系のスーパーで、「牛乳の大会公式供給企業」として活躍したため、トナカイのかわりに「乳牛」がサンタのソリを引くデザインとなっている。

2007年IAAF世界陸上選手権大阪大会にて、マスコットキャラクター・トラッフィーとTBSアスリート・ブーブによるコラボピン。事前に調べていたネットショップにはないバージョンのもので、現地オフィシャルショップに直接足を運び、入手した。

(写真3)2007年IAAF世界陸上選手権大阪大会にて、マスコットキャラクター・トラッフィーとTBSアスリート・ブーブによるコラボピン。事前に調べていたネットショップにはないバージョンのもので、現地オフィシャルショップに直接足を運び、入手した。

販売ピンズの代表格といえばハードロックカフェ。こちらは「MINNEAPOLIS 2003 Leather jacket (Skull)」モデル。ハードロックカフェのピンズは、専門ジャンルとして固定コレクターがいるほど人気が高い。

(写真4)販売ピンズの代表格といえばハードロックカフェ。こちらは「MINNEAPOLIS 2003 Leather jacket (Skull)」モデル。ハードロックカフェのピンズは、専門ジャンルとして固定コレクターがいるほど人気が高い。

 
「ピンズ」を収集することになった経緯を教えてください。
わたしのピンズ歴はまだ5年と少しという程度です。2002年のFIFAワールドカップのグッズとして手に入れたピンズが最初でした。何ということはなく手に入れたピンズですが、ネットオークションで調べてみると、ワールドカップだけでも、ものすごい種類のピンズがあることを知りました。ほどなくして、ピンズを売ってくれた長野の人から、「ピントレード会が長野であるから来てみないか?」とのお誘いを受けました。わたしはそれが何のことか分かりませんでしたが、とりあえず参加してみることにしました。すると、ネット上でのピンズのやり取りでだけではなく、人と人とのやり取りによるピンズの世界があることを知りました。そこでは、ネットでのやり取りでは決して聞けない情報や、一人では踏み込まなかったであろう、さまざまなジャンルのピンズを目にすることができました。長野では1998年のオリンピックでピンズの一大ブームが起こり、1999年の2月に行われた「長野ピンずる祭り(大トレード会)」では3日間で延べ3万人を集めたほどで、多くの熱心なコレクターさんと知り合うことができたのです。2002年の11月にはワールドカップの聖地横浜でピントレード会が発足し、長野をはじめ首都圏のコレクターさんが集まりました。そこで、世界のコレクターさんとの交流の方法、海外オークションのやり方、ピンズをもらう方法等々、様々な知識を得ました。そんな出会いのなかで、「ピンズは人とのコミュニケーションツールである」ということを強く認識したわけです。また、ニッチであるがゆえに、「手に入れた時の感動」は何にも代えがたく、しかも日々新しいピンズが出続けるという刺激にも魅力を感じたことも、いままで続けている理由だと思います。
「ピンズ」をテーマにブログを開設したのはなぜですか?
ピンズは、本来、非常にニッチな市場のものでありました。たとえば、イベントや企業が販売・配布するピンズは、地域・期間・数量すべてにおいて限定的です。集めるどころかピンズが出ていると知ること自体が困難でした。そのような状況に対して、近年のネットの普及は画期的です。コレクターのホームページやネットオークションによって、さまざまなピンズが広く一般に知られることとなりました。事実、ピンコレクターの数は明らかに増えています。しかし、コレクターは増えるものの、ピンズというものには、それを牽引するような組織もなければ、手引書やカタログのようなものも一切ありません。あえて言えば、熱心なコレクターさんが開くホームページくらいのものですが、なかなか継続できず、閉鎖してしまうところが多かったようです。さらにディズニーやオリンピック、ハードロックカフェといったメジャーなジャンル以外については、ホームページすら見かけることもありませんでした。2002年ワールドカップのピンズを収集し始めた際に、横浜のピントレード会でさまざまなジャンルのピンズを集めてらっしゃる方々とお会いし、より幅広いピンズの世界を知ったわたしにとっては、「もったいない」のひとことでした。そこでわたしは、ジャンルのメジャー・マイナーを問わず、すべてのピンズを並列的にランダムに見せる場をつくることができないか、と考えました。従来のホームページに比べて、大きくてきれいな画像を載せることによって、ピンズの魅力をしっかり伝えることが必要だとも思いました。そこに経験談や一般的な話題をからめて多くの人に気軽に見てもらえる、そんな情報発信の方法がないのかと、思いついたのがこのブログというわけです。
『ピンズ=マスター(pins-master)』の舞台裏
これまでに収集されたピンズの数を教えてください。
たぶん5000個以上だと思います。
それだけたくさんのピンズを、どのようにして収集されているのでしょうか?
入手方法は、
1.企業などに問い合わせてもらう
2.知り合いのつてでもらう
3.イベントなどへ出かけてもらう
4.企業ホームページなどの抽選プレゼントに応募してもらう
5.ネットオークションで買う
6.販売ピンを買う
7.商品を買ったおまけ(食玩など)としてついてくる
8.ネットで検索したホームページなどを通じてトレードで手に入れる
9.対面トレードで交換する
などです。詳しいことはブログをご参照いただければと思います。
ピンズの収集にあたって、忘れられない出来事はありますか?
印象深いことはいくつもありますが、そのなかであえて2つを挙げます。2005年のスペシャルオリンピックスでは、長野へ出かけ、ピンコレクターではない、選手やコーチ、関係者の方々と初めてトレードしたことが忘れられません。2つ目は、今年の夏に行われた世界陸上(大阪)にまつわるエピソードです。現地で情報をやり取りしたときに、MBS(毎日放送)がピンズを出していると聞き、探したのですが、見つけることができませんでした。しかしどうしても諦めきれず、2002年以来のピン仲間であり、メディア関係でお勤めの方に探してもらえないかと相談したのです。すると、その方自身がMBSにお勤めされているではないので、友人のさらに友人に依頼して取り寄せてくださいました。大会後半ということもあり、MBS自体にも在庫がほとんどなく、2種各1個ずつしか入手できなかったとのことでした。メディア関係のピンズはコレクター垂涎のアイテムであり、現地・ネットでも一切出たことのない「幻のピンズ」のようなものです。わたしもピンコレクターですから、その方も同じピンズが欲しいのは手に取るようにわかるのですが、それを頼まれたとはいえ、自分の分はないのに快くお渡しいただけたことは、その方との絆を強く感じるやり取りでした。そして、自分もそうでなくてはならないな、と勉強にもなりました。
 
2006年兵庫のじぎく国体・はばタンのピンズ。「はばタン」は、フェニックスをイメージした人気のご当地キャラクター。夏の暑さで着ぐるみが次々倒れるというニュースに衝撃を受け、公式グッズについて調査し、こちらのピンズの入手に至った。

(写真5)2006年兵庫のじぎく国体・はばタンのピンズ。「はばタン」は、フェニックスをイメージした人気のご当地キャラクター。夏の暑さで着ぐるみが次々倒れるというニュースに衝撃を受け、公式グッズについて調査し、こちらのピンズの入手に至った。

(写真6)2006年FIFAワールドカップ公式スポンサー・日本アバイアのプレゼントキャンペーンで入手。サッカーに関連したゲームをいくつかやり、すべてクリアして応募することができたが、ゲーム自体に慣れていないので結構苦労した。

Jリーグの試合結果を予想するくじ、totoの販売員さんが着用するピンズ。サッカー関連ピンズとしてはユニークなアイテムなので、オークションで落札した。このように、レアな非売品をゲットする手段として、オークションからは常に目が離せない。

(写真7)Jリーグの試合結果を予想するくじ、totoの販売員さんが着用するピンズ。サッカー関連ピンズとしてはユニークなアイテムなので、オークションで落札した。このように、レアな非売品をゲットする手段として、オークションからは常に目が離せない。

2005年のスペシャルオリンピックスでは、長野のコレクターさんと一緒に各会場を回り、ピントレーディング三昧だった。これはそのとき入手したユナイテッド航空のピンズで、交換相手は60歳前後の外国人女性。元フライトアテンダントだったのかもしれない。

(写真8)2005年のスペシャルオリンピックスでは、長野のコレクターさんと一緒に各会場を回り、ピントレーディング三昧だった。これはそのとき入手したユナイテッド航空のピンズで、交換相手は60歳前後の外国人女性。元フライトアテンダントだったのかもしれない。

『ピンズ=マスター(pins-master)』の注目情報
いま、とくに注目しているピンズはありますか?
2008年には北京オリンピックがあります。すでにネット上では、北京五輪のピンズを多く見かけます。これまでの経緯をたどると、欧米におけるピンズの人気は、オリンピックの開催より触発されたところが大きいと言えます。アジアでは、過去にオリンピックが開催されたのは日本と韓国のみです。日本における本格的ピンズの盛り上がりは、やはり1998年の長野五輪からでした。集めるのもそうですが、あの中国でどのようなピンズシーンが展開されるのか、非常に注目しています。
これからピンズの収集を始めてみたいという人に、アドバイスをお願いします。
ピンズというものは、一般の方が気づかないだけで、世間にはたくさんあります。たとえば、誰にでも好きなスポーツやイベント、趣味やブランドがあると思いますが、それらにも必ず関連したピンズが存在すると言って過言ではありません。そしてピンズには、個人で探したりする楽しさと、人との交流のなかで手に入れる楽しさの両面があります。年齢・性別・国籍、その他一切の区別なく、ピンズは集められるものです。まずは自分が興味のあるものに関連したピンズから、探してみて下さい。
 
『ピンズ=マスター(pins-master)』の今後の展望
これからぜひ手に入れたい、ブログで取り上げたいというピンズはありますか?
個人的に欲しいピンズは、頭のなかに数百個あります。とくに2002年のFIFAワールドカップの非売ピンで、持っていないものはぜひ欲しいと思います。ただし、それはブログとはちょっと切り離して考えています。あくまでブログでは、いろいろなピンズがあるということを伝え続けていければと思っています。
『ピンズ=マスター(pins-master)』の今後の展望についてお聞かせください。
あえて言うなら、さまざまなジャンルのピンズを淡々と紹介し、更新を続けていきたいと思います。そうすることにより、新たなコレクターさんが誕生したり、ほかのコレクターさんとのつながりが出来たり、めぐりめぐって自分のためにもなるのではないか、と思います。
「編集部からのコメント」

ピンズを通じて、多くの人との出会いがあったというpins-masterさん。「ピントレードでは、目当てのものを入手できるだけでなく、交換した相手との友情や絆が思い出として付加されるのが醍醐味だ」といいます。ブログで紹介されるアイテムの背景には、それぞれ人間くさい物語があり、だからこそ『ピンズ=マスター(pins-master)』には、単なる「コレクションの公開ブログ」に留まらない、読み物としての面白さがあるのだと思います。